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これがオリンピックの「お・も・て・な・し」なのか?
今日も、トイレットペーパーが混じる茶色い汚水が、下水処理場の排水口から、お台場海浜公園に向け激流となって放流されている。
これが、オリンピックに世界から集うトライアスロン選手に対する「お・も・て・な・し」なのだろうか?
そして、水質汚濁防止法や、東京都環境確保条例の主旨に照らして、これは本当に合法と言えるのかを下水最下流の港区議会議員として東京都下水道局に問いたい。
もし合法というなら、厳しい排水規制に対し、高額な投資を行なっている民間企業から見たら、「民に厳しく、官に甘い」不平等な法の運用と言われても仕方ないだろう。
汚水には、大量の不純物が混じっていることから、浄化槽を通していないことが解る。
(芝浦水再生センター 高浜水門外の下水放水口 平成29年5月17日撮影)
東京都下水道局では4年前、これらの未浄化汚水の放流改善策として、地下75mに達する大規模な地下貯留施設の建設を開始するとして公聴会を開いたが、工事が始まって見つかった地中障害物の撤去に時間がかかるとの事で、4年が経過した現在に至っても建設工事は本格的に開始されていない。
完成予定は平成35年と言っていたが、現在は「未定」との回答だ。
また、これが完成したときの、水質目標も、港区を通じて東京都下水道局に質問したが「判らない」との回答だ。
なぜならば、この映像にある汚水の水質は、全て合法的な基準内に収まっているという事になっているからだ。
(残留塩素濃度をもとに推定されると言っているが、直接サンプルを取って水質検査は行なっていない)
しかし、港区が雨天後に運河の水質調査した結果は、環境省が定める海水浴基準(100mlあたり1000個群以下)の実に2400倍もの大腸菌群が検出されている。
<平成26年度雨天時における運河の水質調査>平成26年9月25日9時15分参照
(芝浦水再生センター新ポンプ場建設現場、平成29年5月15日撮影)
平成23年に、港区議会建設常任委員会委員長という肩書きを持って、副委員長として支えて頂いていた公明党の館下先生と共に都庁を訪れ、下水道局の担当者に未浄化下水放流の改善をお願いした際の担当者の言葉が今も耳から離れない。
「先生、下水道施設から出ている水はキレイなんです。運河が白く濁るのは海底のヘドロが巻き上がるからです。運河を綺麗にされたいのでしたら、港湾局にヘドロの浚渫の陳情をされるといいですよ」
「自分のお尻から出たウンチは、もう自分のものではなく、トイレのものだから、文句はトイレに言ってください。」
こう言われているような気がした。
排水溝から先の海を管理するのは港湾局だから、海の水質を問題視するなら港湾局に言うのが筋だという理屈なのだ。
下水道処理施設から放水される汚水は淡水だ。
だから、比重の重い海水層の下の海底に淡水が到達し海底のヘドロを巻き上げるなど、汚水を滝のように落とさない限り絶対にありえない。
だいたい、ヘドロは真っ黒だから、こんな色にはならない。
政治家は、屁理屈で役人には勝てない。
「これは、こういうものなのです」と言われても、反論する知識と情報を持っていないと何もできない。
だから、政治家は、フィールドに出て調査し、学び、反論する論拠を得なければいけない。
そのために、政治家には、政務活動費(調査費)というものが支給されている。
水質調査をするために、東京大学から高価な水質検査機材の提供を受けることになった。
これからは検査機器を船に取り付け、リアルタイムで水質を計測できる。
また、大腸菌の検査は採取した海水に試薬を入れて24時間培養しないといけない。
僕の事務所は、大腸菌検査のための試薬や、培養機材が並び、ちょっとした研究室のようになってきた。
港区にある国立大学法人 東京海洋大学の佐々木准教授とも一緒に研究することになった。
佐々木研究室の学生が運河の水を採取してきて、我々の検査機器で出たデーターの分析を手伝ってくれる。
そして、多くの区民が、僕の水質調査を手伝いたいと声をかけてくださるようになった。
運河を綺麗にしたいという声は、少しづつ高まってきている。
10年後に泳げる水質の海を作るという夢
実現するために、これからも僕は下水道局さんの応援団として、現在進められている下水道処理施設の改善策計画が頓挫したり、縮小されることの無いよう、全力で支援していきたいと思います。