港区議会議員
榎本 茂

えのもと しげる

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泳げる海は夢じゃない

■みんなの海が泳げないのは、工業排水が原因ではありません。
山手線の内側に相当する広大なエリアのトイレや台所の下水は全て芝浦地区にある下水処理施設に集められ、港区の海に放流されています。国会議事堂のトイレの水は、約2時間で芝浦に到達するそうです。しかし、昭和6年という大昔に出来た芝浦の下水処理施設は老朽化が激しく、設計時の処理量と流入量が違いすぎるため、雨が降るたび未処理の生下水を海や運河に直接放流しているのです。その量、なんと年間150万立方メートル、東京ドーム12杯分!!雨が降るたび、港区の水辺は、ティッシュの混じった白っぽい生下水でいっぱいになります。

都内区部には16箇所の下水処理施設がありますが、どこも同じではありません。新宿区の落合にある下水処理施設は「飲めるレベル」にまで処理した下水を排水しており、近隣の子供プールなどにも使用されています。これは、地域住民の声が反映されたためです。
黙っていては何も変わりません。今、私たちが声を合せて泳げる海を求めれば、数年以内に泳ぐことのできる海が作れます。

みなさんは、きれいな海がある街と、生下水が流れる海辺の街と、どちらに住みたいですか?
港区が、きれいな海に面した街になれば、その街の価値が上がります。
きれいな海は、みなさんの持つ住居の資産価値を上げ、この街で生まれ育つ子供たちにとって故郷となる街の価値を高めてくれるのです。

■税金はいりません!
平成22年3月、東京都は老朽化した芝浦の下水処理施設を改築するために、処理施設の4分の1の区画の上部空間の定期借地権を864億円でNTT都市開発グループに売却しました。しかし、このお金のうち、下水貯留施設に還元されるのは77億円でしかありません。私は上部空間を売却した資金は全て処理施設の改築に使い、生下水を流さない処理施設を目指すべきだと考えます!!現在、港区の策定する環境計画「港区緑と水の総合計画」においても、生下水放流(オーバーフロー問題)には一行も触れられていません。一緒に声を出して、新宿区のような泳げるレベルの排水基準を求め、街の資産価値を高めていきましょう。