港区議会議員
榎本 茂

えのもと しげる

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未浄化下水の放水を止め、泳げる海を!

未浄化下水の放水を止め、泳げる海を子供達に!

港区の海はなぜ泳げないのでしょうか。

雨が降った後、運河は黄色がかった悪臭を放つ水で満たされます。
これは、雨が降った後、トイレや台所などの汚水が浄化されず、塩素を混ぜただけの状態で運河に放水されるからです。

赤坂、六本木など港区全域、隣の銀座を含む中央区、国会議事堂のある千代田区、豊島区、文京区、新宿区、渋谷区、世田谷区、目黒区、品川区という、山手線エリアの内側のほぼ全域から汚水が、私たちの街に集められ、雨が降るたび茶色い「簡易処理水」として運河に放水されているのです。

芝浦水再生センター

私たちの街にある芝浦水再生センターが作られたのは、昭和6年。
なんと満州事変があった年。
この老朽化した施設が、今の東京の姿を想像して作られたわけもなく、10区から集まる莫大な量の下水と雨水を処理しきれないことから、平成24年度だけでも塩素を混ぜただけの汚水を187万7200㎥、実に東京ドーム1.5杯分も運河に放水しています。

雨が降った直後から、焦げ茶色の汚水が濁流となって放水され、あっという間に運河は黄土色に変わり、高浜水門から運河の外へ流れ出し、レインボーブリッジ、お台場へと海の色を変えていきます。

平成24年度だけでも187万7200㎥、実に東京ドーム1.5杯分の未浄化下水が運河に放水されました。

僕の取り組んできた最大の政治課題は下水道処理場で処理しきれなくなった汚水の緊急放水を止めること。
止めることができたなら、港区の海は劇的に水質が変わります。

僕は、NPOを立ち上げ、10年以上にわたり、下水道局に対し放水情報の公開を求めると共に、下水道処理施設周囲の運河にて、環境クルーズ を年間1000名もの区民参加のもと行い、施設の改善を訴えてきました。

僕が水環境と防災をテーマにガイドする区民視察クルーズ。

そして平成23年、港区議会議員となった僕に千載一遇のチャンスが飛び込んできました。
僕は建設常任委員会の委員長となり、最初に取り扱った案件が芝浦下水処理場に関する都市計画だったのです。

東京都下水道局と対峙する立場を得た僕は、下水道局と直接話し合い、数回の公聴会には100名近い賛同者と参加し、初期雨水のみ貯留するという方針を変更させ、港区には未浄化下水を一滴も流さないという方針に変更を求めました。

港区港南に建設中の芝浦下水処理場の新ポンプ場は、約950億円以上の巨費と10年の年月をかけ、深さ75mの巨大な縦穴を掘り、運河に放水している未処理下水を溜め込む巨大な地下貯留施設(主ポンプ棟整備事業)を作る計画です。

岩盤をくり抜き深さ65mの巨大な施設を建設中

将来、75mの地下には、天井まで35mもある7万立方mの貯留施設が作られる予定です。

視察した同規模の参考施設。

また、この施設でも汚水を溜めきれなかった時のために、8km先にある大田区の森ヶ崎下水処理施設まで、直径6メートルの管を地下65mに通し、未処理下水を圧送します。

直径6mの圧送管(参考画像)

公聴会では、「完成した暁には汚水を一滴も芝浦運河に放水しないようにする」と下水道局の担当官は公言してくれました。

僕が政治家になって最も嬉しかった瞬間。

この施設が完成するれば、きっと港区の運河は泳げる水質に変わります。
完成の時期は未定とのことなので、工事の進展を見守りながら、運河の水質検査などのチェックを続けていきたいと思います。