港区議会議員
榎本 茂

えのもと しげる

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政策実現のために

オリパラ東京2020が1年の延期の後、無観客ではありましたが無事終了しました。
港区内で唯一行われた競技が、お台場で開催されたトライアスロンです。

トライアスロン会場であるお台場の海からは、大会の基準を上回る大腸菌が検出されたことからプレ大会が中止となり、僕が撮影しYouTubeにアップした下水の汚水放流動画は全世界に配信され、僕自身もアメリカのブルームバークニュースを始めとする世界中のメディアから取材を受けることになりました。

下に貼り付けたレポートは、オリンピック開始前に、所属する都民ファーストを通じて都に出した政策案です。
結果として、1つの項目は採用されたものの、後は全く手付かずという大変残念な結果となりました。

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<お台場海浜公園における水質改善の提案>
都民ファーストの会 港区議会議員 榎本

港区は、 都心10区の下水が集まり、処理、放流される下水最下流の区です。

しかし、昭和6年(大戦前)に作られた処理場は現代の都市化の汚水排出量に対応しきれておりません。

国会議事堂のトイレは2時間で港区の芝浦水再生センターに到達し、雨天時などは、年に80〜120回も未浄化のまま汚水が海に放流され、隅田川の流れが止まる時間帯では、汚水は約20分でお台場海浜公園に到達します。

その浄化されないまま港区の海に放流される汚水の量は毎月「東京ドーム一杯分以上」になります。

私は、議員になる前に環境団体「NPO海塾」を立ち上げ、国土政策総合研究所と共同で汚水の放流後の流れの調査を行ったり、東京都港湾局に牡蠣を使った水質浄化実を提案するなど様々な活動をしてきました。

現在は、東京大学から大腸菌等の検査機器の提供を受け、政務活動費の大半を大腸菌検査の試薬や調査研究に費やし、港区の下水による海の汚染調査に取り組んでおります。

東京港の水質問題に取り組んできた研究者の一人として、小池東京都知事に、以下の提案をさせて頂きます。

<オリンピックまでに実施可能なお台場の水質改善策 >

◆汚泥浚渫の実施と匂いの対策
東京 港湾局は浚渫計画に基づき運河などの海底に堆積した汚泥の浚渫を行っておりますが、お台場海浜公園は浚渫計画に入っておりません。
お台場海浜公園は長年の汚水の有機物が汚泥として1m近く堆積しており、それらは天候とは無関係に硫化水素やメタンガスを放出します。これがオリンピック選手から「トイレ臭がする」と言われた原因と推測するものです。
港湾局の浚渫計画の中で、予定された計画を一年ずらせば新たな予算は要りません。
世界が注目する水域である「お台場海浜公園全体の浚渫」を行うべきです。

◆砂の実施 海の色の対策
汚泥を浚渫除去した後に、神津島の港湾機能維持事業として浚渫している白い砂を海浜公園の海底に敷き詰めることを提案します。
海底が白くなれば海の色が青く見えます。今、海の色が黒く見えるのは海底が黒いためです。
また、新たに投入した砂は好気性バクテリアによる浄化機能も回復してくれるはずです。

◆水中スクリーンの常時設置 環境維持策
汚泥浚渫し、砂を敷き詰めた後は、汚水の流入を制御できるスクリーンをテスト大会の時に設置した場所に設置し、来年の大会まで継続すべきだと考えます。

◆船舶からの屎尿投棄抑制のための条例改正を含む政策の実施 大腸菌対策
お台場海浜公園内における小型船舶からの屎尿の排出を制限するため、都では「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例128条」において規制しています。
しかし、情報開示請求によって規制対象船舶の屎尿回収を調査したところ、対象船の多くが水洗20回程度の汚水しか溜めることができない容量のタンクしか装備していないにも関わらず、バキュームカーで回収するのは2ヶ月に一度だけであることや、タンクの排水パイプが常に海中に沈んでいる船が多いことから、日常的にお台場に屎尿を投棄している可能性があり、屋形船による屎尿の投棄を防ぐため厳格な管理をする必要があると言えます。
また、この条例の中で規制対象とされる船舶は、「食品衛生法第五十二条第一項の規定に基づく営業の許可を受けて、船内で飲食を供する船舶」と定義されていて、食品衛生法の規制を受けない船 水上バス、水上タクシー、ケータリング方式による屋形船や観光船 は規制対象とはなっていないため、環境局が管理するセルフ方式の屎尿回収施設を使用することができません。
水上バスやタクシーなど 制対象外の多くの船がセルフの屎尿回収施設を利用できるようにするためには条例改正を行う必要があります。

◆お台場海浜公園への汚水流入を防ぐ最終手段 総合対策
水中スクリーンを3重にすることで汚水の流入を防げると組織委員会は言っておりますが、東京大学の鯉淵准教授をはじめ、多くの専門家が「3重の水中スクリーンで汚水流入を防ぐことはできない」と断言しております。
組織委員会が実施した  スクリーンの実験は小さなドーナツ状の筏で実験しており、実際の設置場所にかかる水圧とは大きな差があるというのが理由です。
最終的な対応策は、お台場海浜公園の中に水を流し、外に向けて常に水圧がかかる流れを作って、外から塩分濃度の低い水が入ってこないようにすることです。
石原都政時代、お台場海浜公園の水質浄化策として、荏原製作所と東京都「港湾局、環境局、下水道局」の局連携事業として、お台場と運河を挟んだ有明にある下水処理場で作った高度処理水を、お台場海浜公園までパイプで圧送し、お台場海浜公園内に流す事業を行なっていました。
現在は撤去してしまいましたが、再び施設を再構築し、浄化水をお台場に流すことは、浚渫や砂などと組み合わせることで大きな効果を発揮すると考えます。
設計から施工まで1年あれば可能です。
単なる大腸菌の数だけを判断材料とする泳げる水質ではなく、誰もが泳ぎたくなる美しいお台場の海を作ることこそ、オリンピックのレガシーだと思っています。

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上記の提案をして3年が経ち、オリンピックを終えて、その後の水質改善に対する動きは見えません。
喉元過ぎれば熱さを忘れるということです。

小池知事が国政から都政に挑戦されて6年が経ち、この間、都民ファーストの設立時から参加した自分としては、都政批判にもなりえる汚水放流問題を前進させることの難しさを感じた6年でもありました。

そんな時、僕の政策を採用してくださり、一緒に政策実現のために汗をかこうとおっしゃってくださったのが国政政党「日本維新の会」でした。

僕の政策は、大きく分けて、汚水放流問題と防災政策の2本柱となりますが、日本維新の会の政治公約である「政策提言維新八策2021」の中の防災の項「第260」には、僕の防災政策が採用されています。

一昨年、この政策を日本維新の会の国策提言の一つにしたいとおっしゃって頂き、僕は躊躇いもなく了承しました。

党も地域も関係ない。
やらねばならない事は、党派を超えて取り組まなければならない。
政策とは、世のため人のためのものだから。

日本維新の会の松井代表は国会議員では無く、地方行政の長である市長です。
日本維新の会は、地方政治が作り上げた政党ともいえます。
だから、地方議員の僕の考えた政策を、躊躇いもなく採用してくださった。

そして、未浄化の下水放流問題も、都政だけの問題とせず、国の法律の仕組みの中で解決できないか一緒に研究してくださることになりました。
都の内部からでは時間がかかる問題も、法の仕組みや運用を帰ることによって、短期間で動かすことができるかも知れない。

本当は、都民ファーストの会に属しながら、やりたかったのですが、それが許されないというのであれば、僕に政策を捨てるという選択肢はありません。

令和4年3月1日をもって、日本維新の会に所属することとなり、参議院会館において3名の国会議員同席の元、記者会見を行わせて頂きました。

会見の場でも申し上げさせて頂きましたが、私が最も尊敬する政治家は、小池百合子都知事です。

都のために実現することは、知事のためでもある。
国の仕組みを変えることで、都政に貢献したい。
所属する党は変わっても、やりたい事は変わりません。

日本維新の会に入ってみて感じたこと。

日本維新の会では、身を斬る改革として議員は給与の20%をカットすることを求められます。
そして、自民党や立憲民主党では当たり前となっている企業、団体からの献金も、日本維新の会では許されません。

これだけ身を斬ると、政治家によくある盆暮れの会合に何十回と出席するような挨拶回りはできません。

本当に、自らに厳しく、真面目な党であると思います。

そして、政策が面白い。

例えば、年間20兆円を超えるパチンコ産業は、博打ではなく娯楽とされていて、税制的に一般企業と変わりませんが、これを賭博として認定して重課税にすべきだというのが日本維新の会の政策です。
今まで、警察が仕切り、業界との癒着と献金で誰も何も言えなかったタブーに正面から切り込むこのような政策は、実に面白く痛快です。

日本維新の会と共に、残りの人生を歩むことを誓います。
日本維新の会を辞めるときは、政治家を辞める時です。

ご理解とご支援賜れますよう、よろしくお願いいたします。68556552.a196ae57763e49f99108b87ac888094b.22020114