港区議会議員
榎本 茂

えのもと しげる

OFFICIAL SITE

BLOG

暴力団排除条例を議員発案しました。

暴力団排除条例制定に関する提案説明

平成25年度第2回港区定例議会において、暴力団排除条例を議員発案により提案しました。以下、H23年6月12日議会にて私が行った提案理由の説明文です。

 

港区は、六本木や新橋、赤坂など、都内でも有数の繁華街を有し、国内第2位と第3位の規模の広域指定暴力団の本部を内包する区でありながら、23区の中で唯一、未だ「暴力団排除条例」を有さない区です。

様々な国籍の人々が、大勢訪れる街、国際都市である港区が、暴力団排除に対する強い意志・姿勢を示すとともに、区の責務として、暴力団に対しては、会議室やホールなどの区有施設の利用禁止を明確にすることが必要です。

また、区内住民の9割が住むマンション等集合住宅においては、暴力団の住みにくい環境を作るため、共同住宅の所有者の責務として、「暴力団関係者には、売らない、貸さない、使わせない」という基本姿勢を定めることが重要であると考えます。

よって、平成23年10月1日に施行された「東京都暴力団排除条例」を基に、より港区の実情に即した、実効性の高い港区独自の条例案を提案するものです。

何とぞ各位におかれましては、速やかなるご審議を賜り、ご決定下さいますよう、切にお願い致します。

 

港区暴力団排除条例(案)

(目的)

第一条 この条例は、港区(以下「区」という。)における暴力団排除活動に関し、基本理念を定め、区、区民及び事業者の責務を明らかにするとともに、暴力団排除活動を推進するための措置等を定めることにより、区民の安全で平穏な生活を確保し、及び事業活動の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。以下「法」という。)第二条第二号に規定する暴力団をいう。

二 暴力団員 法第二条第六号に規定する暴力団員をいう。

三 暴力団関係者 暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者をいう。

四 事業者 事業活動(その準備行為を含む。以下同じ。)を行う法人その他の団体及び個人をいう。

五 青少年 十八歳未満の者をいう。

六 暴力団排除活動 次条に規定する基本理念に基づき、暴力団員による不当な行為を防止

し、及びこれにより区民の生活又は区の区域内(以下「区内」という。)における事業活動に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。

七 共同住宅等所有者等 区内に所在する店舗、事務所及び共同住宅(以下「共同住宅等」という。)を所有する者並びに区内に所在する共同住宅等の管理及び運営を行う者をいう。

(基本理念)

第三条 暴力団排除活動は、暴力団が区民の生活及び区内の事業活動に不当な影響を与える存在であるとの認識の下、暴力団と交際しないこと、暴力団を恐れないこと、暴力団に資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として、区、区民、事業者、警察その他関係機関との連携及び協力により推進するものとする。

(適用上の注意)

第四条 この条例の適用に当たっては、区民及び事業者の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

(区の責務)

第五条 区は、区民及び事業者の協力を得るとともに、警察その他関係機関及び公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター(東京都公安委員会から法第三十二条の三第一項の規定により東京都暴力追放運動推進センターとして指定を受けた者。以下「暴追都民センター」という。)その他暴力団排除活動の推進を目的とする団体との連携を図りながら、暴力団排除活動に関する施策を推進するものとする。

(区の行政対象暴力に対する措置)

第六条 区は、法第九条第二十一号から第二十七号までに掲げる行為(同条第二十五号に掲げる行為を除く。)その他の行政対象暴力(暴力団関係者が、不正な利益を得る目的で、区又は区の職員を対象として行う違法又は不当な行為をいう。)を防止し、区の職員の安全及び公務の適正かつ円滑な執行を確保するために必要な措置を講ずるものとする。

(区の事務事業に係る暴力団排除措置)

第七条 区は、公共工事その他の事務又は事業により、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、区が締結する売買、賃借、請負その他の契約(以下「区の契約」という。)及び公共工事における区の契約の相手方と下請人との契約等区の事務又は事業の実施のために必要な区の契約に関連する契約(以下「関連契約」という。)に関し、当該区の契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するなど、暴力団関係者の関与を防止するために必要な措置を講ずるものとする。

2 区は、区の契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるものとする。

一 当該区の契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、区は催告することなく当該区の契約を解除することができること。

二 関連契約の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、区は当該区の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他の必要な措置を講ずるよう求めることができること。

三 前号の規定により必要な措置を講ずるよう求めたにもかかわらず、当該区の契約の相手方が正当な理由なくこれを拒否した場合には、区は当該相手方を区の契約に関与させないことができること。

3 区は、前項第一号に掲げる内容の特約を定めた区の契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該区の契約を解除するよう努めるとともに、当該相手方を区の契約に関与させないよう努めるものとする。

4 区は、第二項第二号及び第三号に掲げる内容の特約を定めた区の契約に係る関連契約の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該区の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他の必要な措置を講ずるよう求めるとともに、当該相手方が正当な理由なくこれを拒否したときは、当該相手方を区の契約に関与させないよう努めるものとする。

5 区は、前二項に規定する措置を講じた場合には、当該措置の理由、期間等を公表するものとする。

(区が設置する公の施設における措置)

第八条 区長若しくは教育委員会又は指定管理者(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号

第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者で区が設置する公の施設を管理する者をいう。)は、公の施設の使用が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなると認めるときは、当該公の施設の使用又は利用の承認(以下「承認」という。)について定める他の条例の規定にかかわらず、承認をせず、又は承認を取り消すことができる。

(広報及び啓発)

第九条 区は、区民及び事業者が暴力団排除活動の重要性について理解を深めることにより暴力団排除活動の気運が醸成されるよう、警察、暴追都民センター等と連携し、広報及び啓発を行うものとする。

(区民及び事業者に対する支援)

第十条 区は、区民及び事業者が暴力団排除活動に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むことができるよう、警察、暴追都民センター等と連携し、区民及び事業者に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(青少年の教育等に対する支援)

第十一条 区は、青少年の教育又は育成に携わる者が、青少年に対し、暴力団に加入すること及び暴力団員による犯罪の被害を受けることのないよう、指導、助言その他の必要な措置を円滑に講ずることができるよう、警察、暴追都民センター等と連携し、区の職員の派遣、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(区民及び事業者の責務)

第十二条 区民及び事業者は、第三条に規定する基本理念に基づき、次に掲げる行為を行うよう努めるものとする。

一 暴力団排除活動に資すると認められる情報を知った場合には、警察、暴追都民センター等に当該情報を提供すること。

二 区が実施する暴力団排除活動に関する施策に参画又は協力すること。

三 暴力団排除活動に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むこと。

(共同住宅等所有者等の責務)

第十三条 共同住宅等所有者等は、区内に所在する共同住宅等の譲渡又は貸付け(以下「譲渡等」という。)に当たっては、暴力団及び暴力団員並びに暴力、威力又は詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人(以下「暴力団等」という。)に居住又は使用させないよう努めるものとする。

2 共同住宅等所有者等は、区内に所在する共同住宅等に関して、暴力団排除活動に資すると認められる情報を知った場合には、警察、暴追都民センター等に当該情報を提供するとともに、積極的な暴力団排除活動に努めるものとする。

3 共同住宅等所有者等は、区内に所在する共同住宅等の譲渡等に当たっては、次に掲げる内容を含めた契約を締結するよう努めるものとする。

一 契約締結後に、契約相手方又は入居者が暴力団等であることが判明したとき、又は共同住宅等の専有部分に暴力団の名称、活動等に関する看板、表札その他これに類する物を掲示したとき、若しくは暴力団等を反復して出入りさせる行為を行ったことが判明したときは、催告を要せずに当該契約を解除することができること。

二 契約締結後に、共同住宅等の専有部分が暴力団等の関与する犯罪に用いられたときは、催告を要せずに当該契約を解除することができること。

三 契約締結後に、暴力団員の不法行為により損害を被った場合においては、当該暴力団員が所属する上部団体組織に対し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十五条第一項に定める使用者責任を求めることがありうること。

(委任)

第十四条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、区長が別に定める。

付 則

この条例は、公布の日から施行する。